スーパーフォーミュラ 第3戦 オートポリス レポート&フォトギャラリー

スーパーフォーミュラ 第3戦 オートポリス レポート&フォトギャラリー

SF第3戦雨のAP、”代役”ルーキーのJ.アレジがポール・トゥ・ウィン

5月15、16日に大分・オートポリスで開催された全日本スーパーフォーミュラ第3戦。あいにくの雨模様の中、予選、決勝が各日行われ、ポールポジションからスタートを切った#36 ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がポールポジションからスタート。レースは途中、天候悪化による赤旗終了となり、終始トップを守ったアレジが自身初優勝を手にしている。

参戦19台のうち、今大会でも海外戦出場等で出場できなかったレギュラー選手に代わり4選手が代役参戦。うち、第2戦から36号車のステアリングを握るアレジが大活躍を見せた。今シーズン、自身が主軸を置くのはスーパーフォーミュラ・ライツ。今大会もダブルヘッダーでの出場となり大忙しのアレジだったが、「(走行による)マイレージを稼ぐことができる」と大歓迎の様子だった。一方、開幕日にはちょうど九州北部地方の梅雨入りが発表され、レースウィークはその影響を受けるウェットコンディションに見舞われた。

サーキットは雨に加え、濃霧が立ち込める悪天候。午前の時点で今回の予選は通常のノックアウト方式ではなく、40分間の計時方式で進めることが発表されている。そんな中、朝のフリー走行ではコースを飛び出すクルマも多く、午後からの予選もその流れが続いた。加えてセッションスタートもサポートイベントのスケジュール遅れを受け、当初の予定より45分遅れでスタート。各車、コースインするや前方車両の水煙を浴び、十分な視界確保もままならないような状況でアタックを行うことになる。一方、ピットロード出口にほど近いチームは、セッション開始とともにコースインするや、ライバルよりも良好な視界を得てタイミング良くアタックを開始した。

なお、セッション中はトータル4回の赤旗が出され、計測はその都度中断。その中で序盤にトップタイムをマークしていたのは#19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)だった。だが、折返しを前に#37 宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)がトップタイムを更新、#64 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)も2番手へと浮上した。さらに、残り時間15分強の時点で#39 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が宮田と大湯の間に割って入り、2番手に浮上。するとそこへアタック中だったアレジが1分38秒252をマークし、トップへと躍り出る。これを追わんと大湯もセクタータイムでトータルベストをマーク。だが100R進入でスピンを喫し、万事休す。スポンジバリアにクルマをぶつけ左フロント周りを激しく傷めた大湯は、自力でピットへと戻ることはできたが、この直後に4度目の赤旗が提示され、セッションが中断した。チェッカーまで15分ほどの時間は残っていたが、強まる雨と霧でコンディションは悪化をたどる一方。その中でも本降りの雨でのクルマの確認を行おうとコースに向かうクルマもいたが、アタックに挑むコンディションとは言い難く、タイム更新も果たすことなくこのままセッションが終了した。結果、アレジが自身初となるポールポジションを獲得。2位にはチームメイトの宮田が0.085秒差で続き、3番手には阪口。序盤でトップに立った関口が4番手につけ、上位6台すべてがトヨタエンジンユーザーという結果に終わった。

翌日の決勝も朝から濃霧がサーキットをすっぽり包み込んだ。加えて台風のような強風が吹き続けるなど、極めて厳しいコンディションになる。安全面を優先し、サポートレースでは周回数の減算やレースそのものがキャンセルされるなど、スケジュールは大幅に変更。スーパーフォーミュラでは、もともと午前中に30分のフリー走行を予定していたが、これを取りやめて決勝前に20分間のウォームアップ走行が設けられた。

だが、突風と激しく叩きつける雨によって、サーキットでのイベント進行は遅々として進まず。ピットガレージのシャッターも下りたまま、決勝へのスタート進行開始まで長い時間を要することとなった。午後2時、ようやくウォームアップ走行が開始。依然として激しい雨が降り、霧の中へと向かっていく各車だったが、開始7分に1台の車両がコースアウト。これで赤旗となり、その後の再開もないままセッションが終った。そして迎えた決戦。フォーメーションラップが午後2時55分に始まり、スタンディングスタートによる42周の戦いが幕を開ける。

ポールスタートのアレジはクリアスタートを決めたが、2番手宮田はホイルスピンを喫し、ポジションダウン。2番手は関口が取って代わった。その中で、予選5位以降の中断グループが1コーナーで接触。さらに行き場を失った後方車両もその混乱に巻き込まれる。だが、そのハプニングを逆手に取った予選13番手の#51 松下信治(B-MAX RACING TEAM)が3番手へ、さらに11番手の#15 大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)も4番手へと大きくジャンプアップした。一方、1コーナーの混乱を受け、コース上にはセーフティカー(SC)が導入されてレースはコントロール下におかれる。SCは4周終了をもって解除されたが、これを見越して加速しはじめていたアレジが挙動を乱し、これを好機と見た関口が急接近。ところが関口がファイナルコーナースタンドで痛恨のスピン。文字通り足元をすくわれ、ポジションダウンを喫した。難を逃れたアレジはその後も逃げの態勢で周回を重ね、2番手には松下、3番手には9周目に大津をかわした阪口が浮上していた。

高く上がる水煙の中、コース上には激しく降り続ける雨の影響で川が現れる荒れたコンディションながら、トップ争いはもちろん、各車はそれぞれのポジションで前後のポジション争いを展開。オーバーテイクシステムを巧みに生かし、攻防戦を繰り広げていた。しかし、11周目に入るとさらに天候が悪化。コースを叩きつけるような大粒の雨が落ち始める。これを受け、SCが再びコースイン。スピードを落として車両を先導して周回を重ねたが、安全を最優先するために13周走行中に赤旗が提示され、レースが中断する。

各車はコース上に一旦停止。クルマに乗り込んだままレース再開を待っていたが、それから約10分後にはタイヤ交換等の作業が可能となり、一旦クルマを離れるドライバーも現れた。それからほどなくしてセーフティカーランによる走行を午後4時20分に再開するというアナウンスがあったものの、この間も強風と濃い霧が続いた。結果、これ以上の天候回復を望むのは困難という判断が下され、午後4時30分、13周目の赤旗をもってレース終了が宣言された。これにより、正式結果としては11周目走行時の順位が採用されることとなり、アレジが第3戦のウィナーに決定。松下が2番手を走行していたが、レース終了後にスタート手順違反のペナルティが課せられ、レースタイムに5秒が加算される。これにより、3番手でチェッカーを受けた阪口が2位へと繰り上がり、松下は3位に。4位に宮田が続き、5位はホンダエンジンユーザートップとなった#16 野尻智紀(TEAM MUGEN)が入った。なお、レースは規定周回数の75%未満で終了したため、選手権ポイントはハーフポイントでの計上となっている。

終始不安定な天候による戦いに翻弄されることとなった第3戦。その中で、上位の若手ドライバーたちは神経戦の戦いとも言える緊張感ある攻防戦を繰り広げた。序盤戦を終え、シリーズランキングは依然として野尻がトップを独走しているが、中盤戦以降はこれまでと異なる勢力図での戦いにも期待が集まる。第4戦はおよそ1ヶ月後、宮城・スポーツランドSUGOがその舞台となる。

(文:島村元子 撮影:中村佳史)