SUPER GT 第5戦 スポーツランドSUGO

SUPER GT 第5戦 スポーツランドSUGO

<GT500>
カルソニックIMPUL GT-R、5年ぶりの勝利!

9月12日、宮城・スポーツランドSUGOにおいて決勝レースが行われたSUPER GT第5戦。毎戦”魔物が棲む”と言われるSUGOだが、コロナ禍で2年ぶりの開催となった今回はその魔物が張り切ったのか、次々とハプニングが襲いかかる展開になった。
予選でシーズン初ポールを手にしたのは、#8 ARTA NSX-GT(野尻 智紀/福住 仁嶺)。スタート直後から2位以下を引き離す力強いパフォーマンスを見せつけて順調そのものだったが、ルーティンワークのピット作業で魔物が行く手を阻む。通常、外したタイヤは地面に設置する形_平置きを義務付けている。だが、外された左フロントタイヤは車体により掛かる形で置かれ、結果として作業違反の対象となり、ドライブスルーペナルティが課された。またこの直後、#19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本 雄資/宮田 莉朋)が最終コーナーで黒煙を上げて失速。さらに火の手が上がり、コースサイドで停止する事態となり、セーフティカー(SC)がコースインする。その後、8号車はピットレーンオープンのタイミングでピットイン。しかしSC中のペナルティ消化は認められないため、SC明けに再びピットへ戻るなど、8号車は混乱から生じた事態を収拾できないまま、優勝争いから脱落した。
この他、単独でマシントラブルに見舞われるクルマも続出。なかでもシーズン2基目のエンジンをSUGOで投入したGR Supra勢は、3台がエンジン絡みのトラブルでリタイヤ、暗雲が立ち込めた。そんな中、8号車に代わってトップに立ったのが#12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴/松下 信治)。予選3番手から着実なレース運びでトップに立つと、SC明けのリスタートでは背後に迫る#17 Astemo NSX-GT(塚越 広大/ベルトラン・バゲット)をねじ伏せ、トップを死守。この勢いのままチェッカーを受けた。逆に17号車はその後のFCY解除時に#1 STANLEY NSX-GT(山本 尚貴/牧野 任祐)の反撃に遭い、3位へと後退した。チームとして、5年ぶりの勝利に沸いた12号車。平峰、松下両選手にとっては、初めてのGT500優勝となり、闘将・星野一義監督の目には涙が光っていた。

 

スターティンググリッド

スターティング・グリッド

 

GT500クラス優勝 #12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴/松下 信治)

GT500クラス優勝 #12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴/松下 信治)

 

GT500クラス2位 #1 STANLEY NSX-GT(山本 尚貴/牧野 任祐)

GT500クラス2位 #1 STANLEY NSX-GT(山本 尚貴/牧野 任祐)

 

GT500クラス3位 #17 Astemo NSX-GT(塚越 広大/ベルトラン・バゲット)

GT500クラス3位 #17 Astemo NSX-GT(塚越 広大/ベルトラン・バゲット)

 

GT500クラス優勝 #12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴/ 星野 一義 監督/松下 信治)

GT500クラス優勝 #12 カルソニック IMPUL GT-R(平峰 一貴/
星野 一義 監督/松下 信治)

 

GT500クラス表彰式

GT500クラス表彰式

 

<GT300>
お待たせ! SUBARU BRZ R&D SPORTが悲願の優勝

クラスポールを手にしたのは、#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口 卓人/山内 英輝)。今シーズン3度目の快挙である一方、決勝レースではいまだ未勝利。是が非でも勝利を、という気持ちで挑んだSUGOは、レース序盤はタイヤマネージメントに気を配りつつ、後続に差を築いていったが、予選5番手から攻防戦を制して2番手へ浮上した#55 ARTA NSX GT3(高木 真一/佐藤 蓮)が1秒ほどの差で迫ってきた。そんな中、ひと足早く55号車がピットイン、このあと61号車も2周遅れでピットへ戻り、トップを死守したままレース復帰に成功する。レース後半に入ると、単独のアクシデントなどでSCやFCYが導入される荒れた展開になったが、61号車のトップは不動。SC明けのリスタートで、背後の55号車が61号車の左リアバンパーに接触、ヒヤリとする場面もあったが、61号車は自力のスピードにモノを言わせて55号車の追い上げを封じ込めた。結果、61号車が3年ぶりとなる待望の優勝を果たし、55号車が2位チェッカー。3位は、サバイバル戦を凌いだ#56 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波 清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が掴み取っている。

 

GT300クラス優勝 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口 卓人/山内 英輝)

GT300クラス優勝 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口 卓人/山内 英輝)

 

GT300クラス2位 #55 ARTA NSX GT3(高木 真一/佐藤 蓮)

GT300クラス2位 #55 ARTA NSX GT3(高木 真一/佐藤 蓮)

 

GT300クラス3位 #56 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波 清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

GT300クラス3位 #56 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(藤波 清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

 

GT300クラス優勝 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(小澤 正弘 総監督/井口 卓人/山内 英輝)

GT300クラス優勝 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(小澤 正弘 総監督/井口 卓人/山内 英輝)

 

GT300クラス表彰式

GT300クラス表彰式

 

GT500クラス決勝正式結果
GT300クラス決勝正式結果

(文:島村元子 写真提供 GTA)