SUPER GT 第3戦 鈴鹿 レポート&フォトギャラリー

SUPER GT 第3戦 鈴鹿 レポート&フォトギャラリー

鈴鹿初の3時間レースで、Deloitte TOM’S GR Supraが初勝利

<GT500>

沖縄、奄美地方が梅雨入りした直後の6月1、2日、三重・鈴鹿サーキットでSUPER GT第3戦「SUZUKA GT 3Hours RACE」が行われた。予選と決勝でコンディションが異なるタフな戦いとなったが、ポールポジションからスタートした#37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)が完勝を果たし、両者揃ってSUPER GTでの初優勝を遂げることとなった。

予選日は青空が広がる好天気。気温もぐんぐん上昇し、各チームはクルマとタイヤに”やさしい”セットアップを用意すべく、公式練習から入念な準備を進めていた。そのなかでトップタイムをマークしたのは、#16 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #16(大津弘樹/佐藤蓮)。今シーズンから新たにコンビを組む16号車が好走を見せ、これに0.004秒という僅差で#37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)、さらに37号車から0.1秒遅れで# 12 MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が続き、3メーカーが1台ずつトップ3に名を刻んだ。

公式練習での気温は25〜28度、路面温度は34〜46度。今シーズンから持ち込みタイヤのセット数が昨年比で1セット減少しているが、3時間レースでは6セットのドライタイヤを使うことができる。予選で装着したタイヤは翌日の決勝スタート時まで継続して使用することになるため、各車、予選を前に最終チェックに勤しんだようだ。

予選は午後3時からスタート。GT300クラスを経てGT500クラスのQ1が行われ、午前中から好調の37号車がトップタイムをマーク。これに# 8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8(野尻智紀/松下信治)が続き、逆に16号車は4番手に留まった。続くQ2では、タイヤの消耗をできる限り抑えようと、アウトラップ直後にワンラップアタックに挑むドライバーも。そのなかで#14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/福住仁嶺)が2番手の#23 MOTUL AUTECH Z(千代勝正/ロニー・クインタレッリ)に対して、0.473秒という大差でトップタイムをマークした。合算タイムにより、37号車が今シーズン初めてのポールポジションを獲得。16号車が2番手に、そして3番手にはQ2での躍進が奏効した14号車が続く結果となった。

 

迎えた決勝日。天候が下り坂で朝からポツポツと時折雨を降らすコンディションに変わる。さらに、サポートレース終了後には短時間に激しい雨となり、先行きが読めない状態に。結果、正午からの決勝直前のウォームアップはウエットコンデイション。今シーズンになって初めて全車がウエットタイヤを装着してのセッションを迎えた。メインストレートではしっかりと水煙が上がるものの、西コースはさにあらず。場所によって差が大きく、このまま決勝レースを迎えるとタイヤマネージメントがさらに困難なものになると思われたが、幸いにしてスタート進行を前に雨はすっかり止み、また強い日差しが戻ったことでコースコンディションがみるみるうちに回復。よって、3時間の決勝はふたたびドライタイヤを装着しての戦いとなった。

ポールポジションスタートの37号車が好スタートを切って逃げるなか、3番手の14号車が早々に16号車を逆転。トップにプレッシャーをかけ続ける。スタートから1時間が迫るなか、再び鉛色の雲からポツポツ雨が落ちたものの大きく崩れることなくレースは続行する。上位争いでは、1時間を少し経過したタイミングで14号車がピットイン。ドライバー交代を含むフルサービスでコースに復帰すると、トップの37号車はドライバーがダブルスティントで応戦する。第2スティントの間もこの2台は1秒を切る僅差で周回を重ね、互いの動きを警戒。対して、3番手の16号車はトップ2台に対し、12、13秒近く離されることに。

レースは、折り返しを目前に、車両同士の接触でフルコースイエロー(FCY)が導入されることもあったが、大きなアクシデントなどはなく、後半戦へ突入。スタートから2時間が近づくなか、ダブルスティントで走行を続けていた37号車が、60周を終えた時点で先に2回目のピットへ。スタッフが46.5秒の作業時間で最後のスティントへと送り出す。対する14号車は、その2周後にピットイン。今回もドライバー交代を含む作業だったが、わずか38.6秒という驚きの時間で作業を完遂。オーバーカットを成功させてトップに躍り出るかに思われた。

ところが、ピットを離れた瞬間、その左手、つまりファストレーンを#100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT(山本尚貴/牧野任祐)が走行中で、あわや2台は接触寸前というハプニングが発生。100号車がステアリングを切ったことで接触は回避されたが、14号車に対しては、「アンセーフリリース」のペナルティが課せられることとなり、69周終わりに14号車はドライブするーペナルティ消化のために、無念のピットインを行ない、4番手からの猛追を強いられた。

思いもしない展開に、トップ37号車は2位以下に大きな差を築いた状態で周回が可能に。しかし、14号車は怒涛の追い上げですぐさま反撃に打って出る。72周目の130R飛び込みで#36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)を逆転して3位に、さらに、序盤でもバトルを繰り広げた16号車と再び攻防戦を展開し、78周目のシケインで鮮やかに逆転を決めて見せた。

これで2番手まで挽回した14号車だったが、チェッカーまで残された時間は25分弱。懸命の追い上げを見せるが、10秒強の大差を逆転するまでの時間はなく、このままチェッカー。よって、37号車が悲願の初優勝を遂げ、14号車は2位に。新コンビによる初表彰台ながら、極めて悔しい結果となった。3位には16号車が続き、ホンダのホームサーキットでの表彰台に上がっている。

 

 

<GT300>

GT300クラスは装着するタイヤによって、各チームが採る戦略にも違いが見られた。昨シーズンまで重いサクセスウェイトを搭載しておなお、力強い走りを見せていた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)はBoP等の追加ウェイトによって大苦戦。さらにQ1のアタックでは、他車のアクシデントの影響を受けたことでタイムを伸ばせず。結果、Q2では走行するものの通過タイムをクリアするだけの出走を選択するほどだった。

一方で、前回の富士ではトラブルが重なった#777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/リチャード・ファグ)が大躍進。公式練習の時点では、昨年のクラスポールポジションである#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がトップタイムをマークしたが、予選になると777号車のダントツの速さを見せて文句なしのクラスポールを手にした。

 

迎えた決勝も、777号車が早々から逃げのレースを展開。序盤から大量リードを築いていく。一方、2位以降は激しいポジション争いとなり、そのなか今季初表彰台を狙っていた61号車がズルズルと後退。最後は駆動系トラブルに泣く。逆に、タイヤパフォーマンスを強みとする車両が徐々にポジションを上げるというサバイバル戦になった。

なかでも予選3番手の# 2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)は、ランキングトップつまり最重量のサクセスウェイトを搭載してもなお、力強い走りで2位へと浮上。ライバルたちと異なる戦略を採り、2回目のピット作業はドライバーもタイヤも替えずに給油だけのスプラッシュでコースに復帰し、そのまま2位をもぎ取る強い戦いを見せつけた。続く3番手争いは、終盤になってヒートアップ。タイヤ無交換を取り入れ、予選6番手から残る表彰台獲得を目指していた#52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)だったが、ピットインのタイミングをずらした#31 apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)に先行を許し、また尻上がりにポジションを上げてきた# 6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)の猛追に遭い、後退してしまう。逆に、6号車は31号車をも逆転、ニューマシン3戦目で早くも表彰台に上がる結果を残している。

 

このあと、長いサマーブレイクに入るSUPER GT。次戦は、8月3、4日、富士スピードウェイを舞台にして、真夏の一戦が行われる。

 

フォトギャラリー

 

(文:島村元子 撮影:中村佳史)