SUPER GT 第1戦 岡山 レポート&フォトギャラリー

SUPER GT 第1戦 岡山 レポート&フォトギャラリー

シーズン初戦、”絶対王者”au TOM’S GR Supraが岡山を制す

<GT500>
4月11、12日に岡山国際サーキットにて2026 SUPER GTシリーズ初戦となる第1戦が行なわれた。ディフェンディングチャンピオンのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)は、予選2位スタートながら、決勝では速さと強さを遺憾なく発揮。レース巧者として見事開幕戦を制し、シーズン好スタートを切った。

オフシーズンのテストでは凍結されていた空力開発の解禁、ホンダ勢の新車投入などさまざまなトピックスがあるなか、つねに好タイムを刻んでいたNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)。車両としての熟成度の高いGR Supra勢としてはどのチームも安定感ある速さがあるだけに、昨年ほど36号車が優位な立場にあるかどうかは未知数のように思われた。事実、予選では、新コンビとなったNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)がポールポジションを獲得。36号車は0.065秒差で悔しい2番手となった。

一方、CIVIC TYPE R-GTでの戦いを2シーズンで打ち切り、満を持してPRELUDE-GTを投入したホンダ陣営。すぐさまトップ争いができるかどうかに注目が集まったが、予選でホンダ勢のトップにNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)が4番手につけ、手応えあるパフォーマンスを見せた。そして、昨年から参戦台数が4台から1台減って3台になったニッサン勢では、No. 12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が最高位の7番手スタートとなり、やや苦戦した結果となった。

 

迎えた決勝。予選日に続き好天のレース日和に恵まれる。気温、路面温度ともにぐんぐんと上昇し、春の陽気というより初夏を思わせるほどの強い日差しが照りつけた。

午後1時20分に号砲となった300km、82周の戦い。ポールポジションスタートの38号車は大湯が逃げ切りを狙って力走を続け、追う36号車は山下が食らいつく。だが、1秒を切る緊迫の展開から徐々に差が広がり、一時は4秒近く開いた。一方、後方ではアンダーカットを狙い、7番手走行中のNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)が29周終わりに早くもピットイン。これを皮切りに続々と他車もルーティンワークに取り掛かった。

逃げる38号車を少しでも早く仕留めたい36号車は31周目にピットインして山下から坪井へと交代。そして31.4秒という素早い作業でコースに復帰を果たした。一方、38号車はその翌周にピットへ。32.3秒で作業を終えると、いよいよルーキー小林をコースに送り出す。タイヤに熱を入れるため、小林はメインストレートでクルマを左右にウェイビング。逆にみるみるうちに差を詰める36号車の坪井。すぐさま2台はテール・トゥ・ノーズ状態となり、逆転は目前。ついに37周目にポジションが入れ替わる。

44周目に36号車がトップに立つと、坪井は一層ペースを上げて独走体制へと向かう。一方、小林はペースこそ坪井に遅れを取ったが、3番手を走る12号車とは5秒ほど差が開いた状態で周回を重ねていった。レース後半は、入賞圏内でのポジション争いがあちこちで見られたが、抜きどころが少ない岡山ゆえに終盤にもなると各車ギャップが開き、接近戦が少なくなってしまった。

なかでもトップ36号車は2番手38号車に対し、一時は20秒超の大差をつける快走。その流れを最後までキープし、最終的には19.6秒での圧勝となった。2位には38号車、3位に12号車と最後までポジションは変わらず、デビュー戦のホンダ勢では、No.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)が予選ポジションと同じ6位でレースを終えている。

 

<GT300>
使用車両の変更や新コンビ結成、そして元F1ドライバーの参戦など、多くの話題が集まったGT300クラス。開幕戦の岡山には29台が顔を揃えた。予選では、2組に分かれてQ1を実施、各組から上位9台、全18台によるポールポジションアタックがQ2で行なわれた。

そのなかで2番手に0.262秒差をつけてポールポジションを手にしたのはNo.777 D’station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)。昨年は予選2番手ながら、決勝で結果を残せず悔しい思いをしており、今年こそ優勝を果たしたい。その強い思いが決勝で結実する。

 

クリーンスタートによって777号車が難なくクラストップをキープ。これに予選2番手のNo. 2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/卜部和久)が食らいつくが、逆に3番手スタートのNo.31 apr LC500h GT(小高一斗/小山美姫)が迫り、防戦一方に。777号車はGT500クラスとの混走をも味方にして次第にマージンを築くと、独走態勢のまま30周にピットイン。ドライバー交代を行なった。一方、2位争いは31号車がひと足先にドライバー交代を済ませ、逆に2号車はステイアウトを選択。38周を終えてピットに戻る。

53周目に全車両がルーティンのピットインを終了すると、名実ともに777号車がクラストップに戻ってくる。2号車も2番手を死守するが、すでにトップとの差は11秒近く離れていた。しかし、31号車との差も10秒超となり、結果としてトップ3は単独での走行になるかと思われた。なかでも777号車の快走は留まるところを知らず。2号車は最後まで10秒を切ってあとを追ったが、3番手の31号車以降は周回遅れにする快進撃を見せている。結果、777号車はこれまで相性が良くなかった岡山を”攻略”。ついに開幕戦での優勝を遂げた。2号車も新コンビによる表彰台を果たし、3位でチェッカーを受けた31号車では、小山がSUPER GTに参戦する日本人女性ドライバーとして初めて表彰台に立つこととなった。

 

なお今回の岡山戦では、昨今の中東情勢を考慮し、第3戦に予定されていたマレーシア・セパン大会の延期が発表された。また、国内の残るレースについて変更はなく、またセパン大会の代替レースも実施しないとしている。

第2戦の舞台は静岡・富士スピードウェイ。今シーズン初となる3時間レースで戦いを繰り広げる。それぞれの実力を岡山で感じ取ることとなった各車がどう富士での戦いに臨むのか。戦略含め、展開に注目したい。

 

フォトギャラリー

 

(文:島村元子 撮影:中村佳史)