26年シーズン開幕、雨に翻弄された第1戦を制したのは太田格之進
4月4日、栃木・モビリティリゾートもてぎにおいて、2026年の全日本スーパーフォーミュラ選手権が開幕した。この日は第1戦の予選と決勝がワンデー方式にて実施されたが、決勝は、雨の影響を受けて荒れたコンディションの下でセーフティカーランが続くことになった。そのなかで、予選2位のNo.6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が荒れ模様の戦いを制している。
昨シーズンは3月上旬の開幕だったスーパーフォーミュラだが、今年はおよそ1か月遅く、また舞台もモビリティリゾートもてぎへ移してのシーズン初戦となった。今大会は2レース制ということで、前日にはフリー走行を実施し、土曜日は早速午前9時30分からノックアウト予選が行なわれた。
参戦チームが3チーム増えて16チーム、ドライバーは2名増の24人となった今シーズンのスーパーフォーミュラ。シーズン前にはWRC史上最年少チャンピオンの肩書をもつカッレ・ロバンペラの参戦が話題となったが、身体的理由から参加は見送りに。残念ではあったが、それでもなおルーキードライバーが5人エントリーするという賑わいを見せている。
フリー走行が行なわれた金曜日は春らしい好天気だったもてぎだが、第1戦を迎えた土曜日は雨が近づく曇天模様でスタート。まず、Q1・A組でトップタイムを刻んだのは、ディフェンディングチャンピオンのNo.1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)。一方、Q1・B組は、太田が最速タイムをマークした。また、ルーキーでは、No.50 野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max)が奮闘し、Q2へと駒を進めた。
12台によるアタック合戦となったQ2。なお、今シーズンの戦いを前に路面が改修されたもてぎに対し、アタックのアプローチにそれぞれ選手は考え方を模索しながら取り組んでいた模様。今回はタイヤのウォームアップのタイミングの見極めがポイントとなったようだ。そのなかで最後までタイムを削りあっていたのが岩佐そして太田だった。昨シーズンもタイトル争いで切磋琢磨していたふたりだが、このQ2ではまず太田がトップに立ったものの、大終盤で岩佐が逆転。0.099秒差で今シーズン初のポールポジションを手にしている。また、3番手にはNo.64 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)が続き、ホンダ陣営の3台が上位を占める結果となった。
- 予選ポールポジション #1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)
- 予選2番手 #6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- 予選3番手 #64 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
予選から4時間半後に迎えた決勝。だが、その戦いを前にして無情の雨が降り始めた。スタートを迎える午後2時45分には本降りの状態となり、シーズン初戦はセーフティカー(SC)ランによる幕開けになった。
気温13度、路面温度15度と前日とは打って変わっての寒いコンディション。SCに先導されて周回するも3周目には赤旗が提示され、長らく待機が続いた。午後3時55分、ようやくSCランでの再開を迎え、ようやく15周が過ぎてレースモードとなったが、激しいポジション取りのなかで接触が発生。すぐに3回目のSC導入を迎えた。さらには後方でクラッシュも起こり、まさにサバイバルレースへと化していく。
SCランが続くなか、残り時間はおよそ6分に。結果として19周終わりでレース再開を迎えたが、ここで太田が勝負に出て岩佐をロックオン。1コーナー手前で迫ると2コーナー前で逆転を決めて見せる。一方、後方ではまたしてもアクシデントによってスピンする車両が発生。4回目のSCが導入された。結果的に、同じような展開が繰り返されたレースはSCラン中にチェッカーフラッグが提示され、23周をもって終了に。シーズン初戦のレースは雨に翻弄され、SCランが続くなかで幕引きを迎えることとなった。
これによってリスタートでのチャンスを逃さなかった太田がシーズン最初の勝ち名乗りを挙げることとなり、岩佐は悔しい2位に。3位は予選と同じく佐藤がキープした。なお、レース距離の75%を消化できなかったため、入賞者に与えられるポイントは従来の半分となっている。
- 第1戦スタート
- 優勝した #6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- 2位 #1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)
- 3位 #64 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)
- 第1戦表彰式
太田格之進、ドライでも最速のレースで連勝達成!
4月5日、前日に続き栃木・モビリティリゾートもてぎで行なわれた全日本スーパーフォーミュラ選手権。この日は第2戦の予選と決勝をワンデーレースとして実施した。前日の悪天候から一転し、ドライでの戦いが可能となり、予選でトップタイムをマークしたNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がポール・トゥ・フィニッシュを達成。開幕大会で連勝を果たしている。
開幕イベントとなった第1戦は決勝がウェットコンディションとなり、その内容も接触等でアクシデントが多発、コース上もほぼセーフティカーランだけでチェッカーを迎えるという消化不良の展開だった。そのもてぎでは夜になっても雨が残ったが、翌朝早くに雨も止み、次第に路面が乾いていく。午前10時10分に始まった予選では一部ウェットパッチがコース上に残ってはいたが、ドライコンディションでのアタックが可能になるまで好転した。
その予選。開始時のコンディションは気温20度、路面温度は31度まで上昇するほどに。ただ日差しはなく灰色の雲があたり一面を覆う天候だった。Q1・A組でトップタイムをマークしたのはNo.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)。チーム移籍後初レースで手応えあるパフォーマンスを披露することに。そして、Q1・B組では第1戦のウィナーである太田がトップタイムを刻み、ライバルたちをしかと牽制する。
ポールポジションを決めるQ2でも、太田は快走。今回も、No. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)と交互にトップタイムを更新する展開になったが、終盤のアタックで岩佐は太田が更新したタイムを上回れず。結果、太田が今シーズン初のポールポジションから決勝スタートを切ることになった。なお、このふたりの間に割って入ったのがNo.39 大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING。前日の予選ではホンダ陣営がトップ3を占めたが、今回は大湯が奮闘し、トヨタ陣営としてフロントロウを掴み取る結果を残した。
- 予選ポールポジション #6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- 予選2番手 #39 大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
- 予選3番手 #1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)
午後2時45分に37周の決勝レースが号砲。雨の心配はなくとも曇天模様のもてぎの気温は22度、路面温度は28度というコンディション。前日では見られなかったバトルに期待がかかるなか、まずクリアスタートを決めたのが大湯だった。加速で鈍った太田に対し、大湯は1コーナーでトップを奪取し、逃げの走りを目指した。さらに予選5番手からNo.38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)も好ダッシュを決め、岩佐をパスして3番手から周回を続けた。
大湯と早めに逆転したい太田とのトップ争いが続くと思われるなか、2周目最終コーナーにおいてルーキードライバーのNo. 28 小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC)がスピンを喫してストップ。セーフティカーランとなり、コース上でのギャップが一旦リセットされることになる。車両回収が済むと、レースは6周終わりでリスタート。このタイミングで太田は大湯に仕掛けたが、大湯はこれを凌ぎ、トップを死守する。
次にレースが動いたのは、ピット作業が可能となる10周終わり。まずトップ大湯がピットイン。これを見て太田はステイアウトを選択し、見えない敵を逆転すべく、みるみるうちにタイムアップを果たす。逆にピット作業を終えた大湯はコース上のトラフィック、さらには自身のペースアップが思うように果たせず、タイムを伸ばせない。その結果、太田は20周終わりにピットに戻る頃には大湯に対して存分な差を確保しており、悠々と大湯の前でコース復帰を果たしてみせた。
一方、ポジションアップのチャンスを掴んだのが阪口そして福住のふたり。阪口は25周終わりで、また福住は終盤の30周終わりでそれぞれピットイン。コース上でのペースアップを活かす形でともにポジションアップを果たすと、阪口は2番手、そして福住も3番手からチェッカーを目指すことになる。そんななか、トップを快走していた太田のペースが鈍くなってくる。レース後、太田はマシントラブルが発生し、ペースアップを果たせなかったことを明らかにしたが、背後に迫りくる阪口を懸命にシャットアウト。綱渡り的な状況ではあったが、スリリングな展開をしかとモノにして開幕大会で2連勝という躍進を遂げた。健闘が光った阪口もこのまま2位でチェッカー。自身5年ぶりの表彰台を手にしている。また、福住にとってもチーム移籍後初の表彰台を果たし、同時に2020年に発足したチームとしては初の表彰台獲得を遂げることになった。
- 第2戦スタート
- 優勝した # 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- 2位 #38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)
- 3位 #14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)
- 第2戦表彰式
開幕で2戦を消化したスーパーフォーミュラの次回大会は、大分・オートポリスが舞台となる。開催は4月25、26日。第3戦として実施される。
フォトギャラリー
(文:島村元子 撮影:中村佳史)































