第2戦岡山、au TOM’S GR Supraが開幕2連勝を達成!
<GT500>
ゴールデンウィーク中の開催となるSUPER GT第2戦。5月3、4日の静岡・富士スピードウェイには、2日間で8万3600人の観客が来場。シーズン初となる3時間レースの行方を見守った。そのなかで、予選2番手からスタートを切ったNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)がチーム力を活かした戦略と盤石のレース運びをやってのけ、終盤に逆転。そのまま差を広げて開幕戦から2連勝を果たした。
連休中の開催となる今大会には、予選日から多くのファンがサーキットに足を運んだ。まだ雪化粧が残る富士山も麗しい姿を惜しみなく披露。予選は、午後から一気に気温が下がったが、午前中の公式練習では、青空が広がり強い日差しが照りつけた。
その公式練習でトップタイムをマークしたのは、No.17 Astemo HRC PRELUDE-GT。ベテラン塚越広大とルーキー野村優斗のコンビで新車、PRELUDE-GTでの好成績を狙う。一方、開幕戦の覇者、36号車は13番手どまり。午後からの予選に向けて調整を強いられる形となった。
気温は約2度、路面温度においては7度近く下降するなかで始まった公式予選。タイヤの発熱に気を配るなか、Q1をトップで通過したのはNo.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)。ルーキー小林が36号車の坪井に対して100分の8という僅差でトップ通過を果たす。さらに3番手にはNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)の牧野任祐が、またニッサン勢のトップとして4番手にNo.23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)の高星明誠が続く結果となった。
ポールポジションを確定するQ2で気を吐いたのは、No.14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)。まず、早めのアタックでNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)の大草りきが暫定トップにつくも、23号車の千代がタイム更新。ほどなくしてチェッカーが降られ、これでポールポジションが確定するかに思われた。だが、まだアタック中の各車がペースを上げて周回。そのなかで14号車の福住仁嶺が1分26秒254の好タイムをマークし、トップへ浮上。今シーズン初のポールポジションを手にする。その直後に36号車の山下もチェッカーをくぐったが、0.164秒及ばず2番手に。結果、3番手に23号車が続き、64号車がホンダ勢としてトップとなる5番手だった。なお、福住にとっては今回が自身8回目のポールポジション。現役GTドライバーとしては最多記録を更新する結果となっている。
- GT500クラス 予選ポールポジション #14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)
- GT500クラス 予選2番手 #36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)
- GT500クラス 予選3番手 #23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)
予選日の夜遅くから暴風雨に見舞われた富士界隈。しかしながら早朝には小雨となり、午前中にはすっかり天気が回復。路面もドライアップし、幸いにも午後2時からのスタートを前にしてドライコンディションへと戻る。大勢の観客が見守るなかレースがスタートすると、ポールシッターの14号車がハイペースで後続を離しにかかり、2番手の36号車はしばし”様子見”で周回を重ねていく。後方では、それぞれが前後車両との攻防を見せていたが、14号車は逃げの戦いでレース開始から1時間を経過した頃に、20秒ほどの大差を築き上げた。
これに先立ち、ルーティンのピット作業を始めるチームも出ていたが、トップをひた走る14号車はほぼ1時間の走行を終えてピットへ。これにすかさず2番手の36号車も続い、どちらもタイヤ交換、給油、ドライバー交代を行ない、第2スティントへ突入した。14号車は少しペースアップが鈍り、逆に36号車はペースアップ。およそ30分が過ぎると、2台の差は10秒を切ることに。1回目のルーティンワーク同様、早いチームでは、2時間を待たずしてピットイン。トップ2台による攻防戦の行方に注目が集まった。
結果、先にピットへと舵を切ったのは、36号車。76周終わりでピットに戻ると、タイヤ交換と給油は済ませたが、ドライバーは変わらず。坪井がダブルスティントでチェッカーを目指すことに。36号車は、先頭の14号車より先にピットインしてアンダーカットを狙ったわけだが、対する14号車は2周後にピットイン。タイヤ交換、給油さらにドライバー交代をしたため、36号車より2.8秒ほど時間がかかる。これにより、36号車よりもひと足先にコース復帰を果たした14号車だったが、すでにタイヤが温まっている36号車の坪井はコカ・コーラコーナーの新入で鮮やかに逆転を果たし、事実上のトップへと躍り出た。
チェッカーまで残り40分ほどの時点でコース上の全車両が2回目のピットインを終了。これで名実ともに36号車がトップとして終盤の戦いへと突入する。快走を見せる36号車に対し、14号車も懸命の追い上げを見せる。だが、勝てると確信して周回する36号車の勢いは止まらない。ペース良く、自らの戦いに徹して他を圧倒。開幕の岡山を制してどのクルマよりもっとも思いサクセスウェイトを搭載しているにも関わらず、3時間の長丁場を颯爽と走破。開幕戦からの連勝を果たすこととなった。2位の14号車に続き、3位には23号車が入り、両車ともシーズン初の表彰台を獲得したが、36号車の強さに悔しさが滲む表彰台となっている。また、ホンダ勢としてのトップチェッカーを受けたのは、No.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)。予選8位からポジションを上げて5位に。だが、ホンダ陣営としてはいずれもスピードのない走りを強いられ、思うような結果を残せない戦いになったようだ。
- GT500クラス スタート
- GT500クラス優勝 #36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)
- GT500クラス 2位 #14 ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)
- GT500クラス 3位 #23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)
- GT500クラス 表彰式
<GT300>
GT300クラスでは、今シーズンからニューエンジン搭載で話題を集めるNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が予選でブレイク。公式練習からトップに立つと、その後の予選でもQ1・A組をトップ通過。さらにポールポジションを確定するQ2では、一瞬雨が落ちる天候の変化にも怯むことなく好アタック。出走した山内が1分34秒314と自身の持つ富士でのコースレコードをおよそ5年ぶりに更新する大躍進を見せ、なんと、2位に0.748秒という桁違いの速さでクラストップに立った。なお、山内は自身の持つ最多ポールポジション獲得回数も17回に伸ばし、チームにとってパーフェクトな予選日を過ごした。
61号車の驚異的な速さには叶わなかったが、2番手にはNo.31 apr LC500h GT(小高一斗/小山美姫/チャーリー・ブルツ)が続く。開幕戦の岡山でも予選、決勝ともに3位と会心の結果を残しており、サクセスウェイトがあるなかでの健闘が光った。これに続いたのは、No.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)。公式練習でマシントラブルに見舞われ、予選開始ギリギリまで修復に追われたが、間髪間に合い3番手を掴み取った。
- GT300クラス 予選ポールポジション #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
- GT300クラス 予選2番手 #31 apr LC500h GT(小高一斗/小山美姫/チャーリー・ブルツ)
- GT300クラス 予選3番手 #52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)
レースがスタートすると、61号車がトップをキープして周回を重ねるが、予選ほどの速さは見られず、2番手31号車の猛追を牽制する形に。というのも、決勝直前のウォームアップで左フロントタイヤがスローパンクチャーに見舞われており、その懸念からかペースが思うように上がらず。そんななか、レース開始から40分が過ぎた頃、またしても61号車にまたもタイヤトラブルが発生。一気にペースを落とし、なんとかクルマをピットへと帰還させてタイヤ交換をはじめとするピット作業も行ない、コースへと復帰した。
このアクシデントを受けて、クラストップの座は31号車に。しかしながら、予選6番手スタートのNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)のペースが速く、31号車を猛追。ひと足先に31号車がルーティンのピットインを迎えたことでコース上での逆転こそなかったが、56号車にクラストップの座が巡ってくる。レースは56号車を先頭に、52号車さらにNo.666 seven x seven PORSCHE GT3R EVO(スヴェン・ミューラー/藤波清斗)が続いた。
レースは開始から1時間20分を前に、GT500車両がピットロード入口手前で停止したことを受け、FCYが導入される。これに伴い、ピットレーンがクローズされたが、その影響を受けたのが52号車だった。ちょうどピットインを目前にしていたことで燃料がもたず、ペナルティを承知の上でピットへと戻り、作業を敢行。当然のことながらのちに60秒のペナルティストップを課され、事実上表彰台獲得の権利を喪失する。
折り返しを過ぎ、56号車をトップに、31号車、666号車と続くなか、666号車はレース序盤に接触によるタイムペナルティが課されており、レース後の10秒加算が控えている。終盤の2度目のルーティンでは、3選手を擁する31号車がほぼ”均等割”でのピットインを実施する一方、トップ56号車は大きくタイミングを遅らせて78周終わりでフルサービスを実施。難なくトップに返り咲いた。
2番手の666号車に続き、3位に浮上したのがNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)。これに31号車が続き、このままチェッカーを迎え、56号車が3年ぶりとなる優勝を達成。2022年を最後に遠ざかっているタイトル奪還に向けて弾みとなる勝利を飾った。666号車のタイムペナルティによって、2位には65号車が続き、今季初表彰台を獲得。また、3位の31号車は2戦連続の表彰台となった。
- GT300クラス スタート
- GT300クラス 優勝 #56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)
- GT300クラス 2位 #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)
- GT300クラス 2位
- GT300クラス 表彰式
依然として先行き不安な中東情勢を踏まえ、予定されていた第3戦マレーシア・セパン大会が延期となった今シーズンのSUPER GT。次は同じ富士を舞台に第4戦・300kmのレースが行なわれる。
フォトギャラリー
(文:島村元子 撮影:中村佳史)































