~ The Man of This Race ~ 国本雄資

~ The Man of This Race ~ 国本雄資

全日本スーパーフォーミュラ選手権 FInal Round 鈴鹿
国本雄資/No.2 P.MU/CERUMO・INGING

日本最高峰のフォーミュラデビューは2011年。以来、P.MU/CERUMO・INGINGでの参戦を続けてきた国本雄資。21歳でトップフォーミュラへのデビュー、前途洋々のスタートを切ることとなった。だが、その先に待っていたのは厳しく孤独な戦いであり、今年、悲願の初優勝までの道のりは、長く険しいものだった。チームドライバーとしては“後輩”でも、年齢的に先輩の石浦宏明を僚友に迎えたのは2014年。紆余曲折を経て参戦を果たした石浦は、着実にステップアップ。ポールポジション、そして優勝をさらうのを、一番近い場所で歯がゆい思いで見ていた。一方、チームは幸いにもレースで必要な事項をすべて共有するという方針。国本を支えるスタッフとともに、悔しさをバネにして努力を重ねてきた。結果、忍耐力と探求心を強化して挑んだ今シーズンは、ディフェンディングチャンピオンの石浦にも負けず劣らずのパフォーマンスを披露。開幕戦で2位を獲得すると、第5戦岡山のレース2でスーパーフォーミュラ初優勝を達成。さらに最終戦でもレース1を勝利、逆転王者のチャンスを引き寄せた末に戴冠という、劇的なフィナーレで自身の目標を達成している。

(文:島村元子 撮影:鉄谷康博・中村佳史・北川正明)