SUGO大会、福住仁嶺が大逆転勝利
8月8、9日に宮城・スポーツランドSUGOにおいて全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦が行なわれた。決勝日はレース中盤にSCランとなり、これを味方にした予選7番手のNo.14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)が大逆転に成功し、今シーズン2勝目を挙げた。
前回の富士大会は、通常の第6、7戦の”ダブルヘッダー”に加え、天候不良で決勝が中止になった第3戦オートポリスの代替戦も行なうという、超過密スケジュールでの開催だったが、今大会は久々に予選、決勝をそれぞれ各日に行なうフォーマットで実施された。これを受け、予選は今シーズンから導入されている予選Q3まで行なわれることになる。なお、Q3でトップタイム_つまりポールポジションを手にしたドライバーには、スーパーフォーミュラでコントロールタイヤを供給する横浜ゴムから「SUPER POLE QUALIFYING Supported by YOKOHAMA」が送られ、賞金100万円が授与される。
まず、午前中のフリー走行では、No.16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)がトップタイムをマーク。これにシリーズランキング暫定トップのNo. 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、さらにNo.65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)が続いた。
午後に入り、やや曇り空が先行することになったSUGO。午後2時20分からの予選を前に、気温29度、路面温度43度とやや低い数値を刻む。タイヤのウォームアップに気を配りつつ、各車まず2組に分かれ、Q1へと挑んだ。そのA組をトップで通過したのはNo. 5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。僅差でNo.39 大湯都史樹(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、No. 1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)と実力派が上位を占める。そんななか、シーズン当初からQ1突破を続けてきたNo.64 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)がQ2進出を逃すことになった。
続くB組では、牧野の僚友である太田がトップタイムをマーク。これに0.058秒の僅差で野尻、さらに今シーズン快調なNo.38 阪口晴南 (SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が3番手につけている。
A、B各組から上位5台、計12台が進出したQ2。残り2分を切って各車がコースへと向かい、タイミングを見計らってアタックを開始する。そのなかで真っ先に各セクターで最速タイムを刻んだのは、太田。真っ先に1分04秒994のタイムでトップに立つと、その後はこのタイムが更新するドライバーも現れず。フラガ、野尻がこれに続き、トヨタ勢トップとしてNo.36 坪井 翔(VANTELIN TEAM TOMʼS)が4番手に続き、Q3進出残りの1台は、牧野となった。なお、このセッションではルーキーのNo. 28 小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DCが奮闘。Q3進出は逃したが、牧野に対して1000分の3という僅差だった。
ポールポジションを目指して5選手が挑んだQ3。残り1分強で本格的なアタックモードに突入すると、やはり太田が各セクタータイムで最速を刻んで1分04秒896をマークして、トップに躍り出る。だが、その直後、野尻がこれを0.032秒上回る1分04秒864の最速タイムをマーク。太田からトップの座を奪取してみせた。このあと、各車もチェッカーをくぐったが、ふたりのタイムを上回るドライバーは現れず。結果、野尻が第7戦に続きシーズン2度目のポールポジションを獲得。自身が持つポールポジション獲得最多記録も25回へと更新する躍進を見せた。2位太田に続いたのは、フラガ。1週間前のSUPER GT決勝スタートでクラッシュした影響を感じさせない力走を見せている。また、4位には牧野、5位に坪井が続く結果となった。
- 予選ポールポジション #16 野尻智紀(TEAM MUGEN AUTOBACS)
- 予選2番手 # 6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
- 予選3番手 #65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
翌9日のSUGOは、日本列島に近づく台風15号の影響を受けてか、鉛色の雲があたり一面に広がるなか、決勝レースを迎えた。実際、レース後半になってポツポツと雨が降り始め、グランドスタンドには傘の花が咲いたが、幸いにして本降りになることはなかった。
午後2時20分に始まった51周の戦い。スタートでやや出遅れたポールの野尻に襲いかかったのは、予選3番手のフラガ。1コーナーアウト側から逆転を狙ったが、勢い余ってオーバーラン。野尻、太田、フラガとポジション変わらず、オープニングラップを終える。一方、今回自己ベストとなる予選6番手からスタートした小林利徠斗だったが、福住に先行され、翌周は岩佐にも先行を許してポジションを落とした。
一方、トップ争いは太田が2番手からオーバーテイクシステム(OTS)を多用して野尻に迫る。だが野尻も同じタイミングでOTSを作動。トップ争いは膠着状態となり、そのうしろを走るフラガは、逆にOTSを使わず、2台から1秒ほど後方で周回を重ねた。
ピット作業が可能となる13周終わりで、まず4台がピットへ。翌周にも4台がピットインしたが、そのなかには状況を打破したい4位を走る牧野の姿もあった。そして、トップ争いのふたりは先に太田が動き、19周終わりでピットイン。野尻もこれを追うように20周終わりでピットへ向かうと、太田を押さえてコース復帰を果たす。また、フラガは一旦ピット前にタイヤを用意していたが、ハイペースでの周回が叶ったことで、作戦を変更。しばしピットインを見送る判断を下した。これに対し、フラガのうしろにいた坪井は25周終わりでピットへ。タイヤ交換済みのグループでトップを死守していた野尻、太田に次いでコース復帰を果たした。しかし、タイヤがしっかりと温まっていた牧野がハイポイントコーナーで逆転。坪井からポジションを取り戻した。
そんななか、26周目に入ると立て続けに2台のクルマが車両トラブルでストップ。これを見たフラガのチームはピットインをリクエスト。タイヤ交換を済ませてコース復帰を果たし、野尻と太田よりも前のポジションでコース復帰を果たした。そして、その翌周、それまでフラガの背後にいた福住と岩佐がピットイン。すでにコース上はSCランが導入されていたが、SCは福住を先頭に据えて周回。これに岩佐、フラガ、さらに野尻、太田、坪井という態勢で走行が続いた。
レースは36周目に再開され、残り15周でのリスタートとなる。各車スタートをきちっと決め、それぞれギャップを詰める走りを見せて激しい攻防が続く。太田が36周目のメインストレートでようやく野尻を逆転、その勢いで前の3台を追いかけたが、抜き去るまでには至らない。終盤に向かうと、OTSを駆使してトップ2台が0.2〜0.3秒という僅差でのトップ争いを繰り広げ、それをフラガが背後からOTSを温存して一発逆転のチャンスをうかがう。だが、態勢は変わらず。結果、トップ3は縦一列でファイナルラップへと向かい、そのまま順位を変えることなくチェッカー。結果、福住が第5戦鈴鹿に次ぐ今シーズン2勝目を達成。岩佐、フラガが残る表彰台を手にした。
SCがコースインしたタイミングが味方した福住と岩佐にとっては嬉しい表彰台となったが、裏目の展開になってしまったフラガは落胆を隠さず。表彰台では、シャンパンファイトに加わらなかった。
- 第8戦 スタート
- 優勝した #14 福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)
- 2位 #1 岩佐歩夢(TEAM MUGEN AUTOBACS)
- 3位 #65 イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)
- 第8戦 表彰式
4月の開幕戦以降、第8戦までを終えたスーパーフォーミュラは、このあとサマーブレイクを迎える。次戦は約2ヶ月後の10月10、11日に開催。静岡・富士スピードウェイにおいて第9、10戦が行なわれる予定だ。
フォトギャラリー
(文:島村元子 撮影:中村佳史)























