スーパーフォーミュラ 第1戦 もてぎ 決勝結果

スーパーフォーミュラ 第1戦 もてぎ 決勝結果

■SF開幕戦、平川亮がポール・トゥ・ウィンを達成!

当初の予定よりおよそ5ヶ月遅れで開幕した2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権。初戦はツインリンクもてぎで開催され、残暑厳しいコンディションの中で冷静なレース運びを見せた#20 平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が真っ先に勝ち名乗りを上げた。

SUPER GTは7月中旬に開幕したものの、8月下旬まで開催が遅延されたスーパーフォーミュラ。ただ、上限5000人での有観客試合が実現したことで久々にサーキットにはレースファンの声が響き渡った。一方で、イベント開催による新型コロナウィルス感染拡大予防の観点から、予選と決勝を同日に実施する「1Dayレース」を採用。また、レース距離も従来の250kmから約160kmへと短縮され、加えて決勝時の給油禁止、タイヤ交換を義務付けないなどの新たなルールが盛り込まれた。

なお、今大会では日本への入国許可が下りなかった外国人選手が2名おり、チームによっては代役を立てての参加となったが、結果として当初の予定よりも1台少ない19台での開催となっている。また、今後の状況変化を考慮し、シリーズタイトルも有効ポイント制を特別に採用。全7戦中5戦の結果にてドライバー、チームの両タイトルを競うことが決まった。また、ポイントも今シーズンに限り予選上位3名、決勝は上位10名まで各ポイントが付与されることとなった。

シーズン初戦とあり、レースウィーク中は金、土曜日にテスト走行、専有走行、フリー走行のセッションが設けられた。つねに猛暑のコンディションだったが、各車は予選、決勝用のセッティングを入念に確認するなど、熱心に周回を重ねていた。

迎えた日曜日。朝から20分間のフリー走行が行われ、ほどなくしてノックアウト予選が始まった。Q1は全19台をA、B2組に分けて実施。Q2に14台が進み、そしてQ3では8台が予選ポジションを競った。全セッションを通して速さを見せていたのが平川。Q2でコースレコードを更新するトップタイムをマーク、さらにQ3でも自身が塗り替えたばかりのタイムを上回る好走を見せ、文句なしのポールポジションを手にした。一方、2番手はルーキーの#4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)。昨年の全日本F3王者が勢いに乗って、残るフロントロウを獲得する。さらに3番手には#3 山下健太(KONDO RACING)が続き、トヨタエンジンユーザーがトップ3を独占した。なお、昨年のチャンピオン、#1 ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)はQ2でまさかの敗退。11番手からのスタートに甘んじた。

午後になると、ところどころに薄灰色の雲が広がったもてぎの上空。だが依然として気温と路面温度は高い数値を刻んでおり、35周のレースはタフなコンディションでの戦いになった。ポールスタートの平川が難なくトップで1コーナーへ。だが、初レースとなったフェネストラズはやや出遅れ、代わって3番手の山下に先行を許す。さらに、その後方では#36 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)が4位に浮上を果たした。一方、参戦2年目の#39 坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、ルーキーの#65 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)はオープニングラップで他車と接触。タイヤトラブルやウィング破損等のトラブルに見舞われ、早くも戦線離脱となる。

中団グループの慌ただしいポジション争いとは打って変わり、上位4台は常に等間隔で周回を重ねていく。付かず離れずの中で各車タイヤマネージメントをしつつ、逆転の好機を伺いながらの静かな戦いが続いた。なお、残り3周の時点でトップ2台の差が1秒を切り、ファイナルラップではともにオーバーテイクシステムを乱発しながら攻防を繰り広げたが、結局、終始ポジションは変わらず。見事なレース運びを披露した平川が通算2勝目、シーズン初優勝をポール・トゥ・ウィンで飾ることとなった。2位の山下は、WEC(世界耐久選手権)に参戦後、日本へ帰国。ギリギリのタイミングで参加が認められての出走だった。このため、レース後の表彰台にも上がらず、すべてリモートで行うという前代未聞の対応となった。3位のフェネストラズは初のスーパーフォーミュラで3位表彰台を獲得。願ってもない形で初戦を終えている。

決勝正式結果

(文:島村元子 写真提供 モビリティランド)