スーパーフォーミュラ 第8戦 もてぎ

スーパーフォーミュラ 第8戦 もてぎ

1大会2レース2戦目、第8戦の勝者は関口雄飛!

前日に続き、栃木・モビリティリゾートもてぎにおいて、全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の予選および決勝が開催され、予選7番手からスタート直後に追い上げを見せ、巧みな戦略を味方につけた#19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が、終盤の激闘をモノにして今シーズン初優勝を飾った。

前日はレース直前に不意打ちのような雨模様となったもてぎ。ウェットコンディションの戦いを経て、日曜日の第8戦は雨こそ回避できたものの、朝の予選では気温も低く、真夏とはかけ離れた天候となる。

午前9時15分からスタートしたノックアウト予選では、前日のセッションでチームとして復活の速さを披露したTCS NAKAJIMA RACINGが今日も好調さをアピール。Q1・A組は#64 山本尚貴が、そして同B組で#65 大湯都史樹がトップタイムをマークし、勢いのあるところを見せた。続くQ2に入ると、大湯がさらに躍進。僅差のアタック合戦が繰り広げられる中、一足先に暫定トップタイムをマークした#3 山下健太(KONDO RACING)を上回る1分30秒313を叩き出してトップに立つとセッションはこのままチェッカーを迎えた。結果、大湯は自身初となるトップフォーミュラでのポールポジションを手にすることとなった。なお、セッションではチェッカー後にタイムアップしたドライバーが続出。結果、2番手には初の#4 サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が、そして3番手には前日の決勝で3位となった#1 野尻智紀(TEAM MUGEN)が続いた。

決勝レースも前日同様に午後2時30分にスタート。もてぎは午後に入ると次第に天候が回復。強い夏の眩しい日差しが照りつける暑さが戻ってくる。自身初のポールポジションスタートから申し分のない蹴り出しを見せた大湯がトップでホールショットを奪う一方、もう一人のフロントロウであるフェネストラズは動きが鈍り、予選3番手の野尻が先に1コーナーへ。フェネストラズは自身の後方にいた予選4番手山下にも詰め寄られたが、2コーナーでこれを阻止。なんとか3番手を死守した。その後方では、予選7番手の#19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が6番手スタートだった僚友の#20 平川亮も含め、2台を抜いてポジションアップ。だが翌周は平川が90度コーナーで逆転し、ポジションを取り戻した。

オープニングラップをトップで終えた大湯だが、その後、後続との差を広げるほどのペースはなく、上位陣は似通ったラップタイムでしばし膠着状態に。この動きを打破することとなったのは、タイヤ交換が可能となる10周を終えたタイミングだった。真っ先にピット作業を行ったのは、関口。アンダーカットを狙う作戦を採る。その翌周には上位争いに食い込む#5 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も敢行。結果的には、この2台が終盤になって表彰台圏内に入る躍進を遂げることとなった。一方、4番手を走行していた山下がピットイン。これはルーティンワークではなく、ギアトラブルによる緊急ピットイン。ガレージ内での修復を強いられた後、コース復帰は果たしたものの、上位争いからは惜しくも脱落することになった。

トップ大湯がピットインしたのは16周終わり。同様にフェネストラズも動く。1周前には2番手だった野尻がピットに戻っていたため、コース復帰後のポジション争いに注目が集まったが、最終的に大湯は、関口、牧野がアンダーカットを決め、そして野尻とはバトルの末に先行を許し、事実上の4番手に。また大湯の背後でコース復帰したフェネストラズも、5番手へとポジションを落としてしまった。

上位争いを見せる車両のほとんどがタイヤ交換を終える中、代わってトップを走る平川は依然として安定したハイペースで周回を重ねていく。さらには30周直前には自己ベストタイムを更新するという底力を存分に発揮、ライバルたちを牽制した。そして迎えた30周終了時。満を持して一番最後にタイヤを交換。チームスタッフも5.6秒と最速の仕事で平川をコースへと送り出す。惜しくもすでに関口と牧野は前を通過していたが、3番手野尻の前でレースに復帰。一旦先行を許したが、90度コーナーで逆転してみせた。さらには牧野を5コーナーでかわすと、関口、平川によるインパルチームの”ワン・ツー体制”を確立。すると、残りわずか3周にしてインパルの2台による激しい手に汗握る攻防戦が始まった。

互いにOTSを活用し、プレッシャーをかけながらの戦いを見せて一歩も譲らない。OTSの残量は若干平川の方が多かったものの、両者ともここぞとばかりにOTSを連続使用。そして迎えたファイナルラップの90度コーナーにおいて平川がアウト側から関口に迫った。だが、関口は落ち着いてイン側を守り切る。逆にラインがはらみ、若干コースオフした平川にとっては万事休す。緻密な戦略を味方にタフな戦いを走り終えた関口が、2019年第2戦オートポリス以来の自身7勝目を上げている。2位には平川。選手権ポイントで一旦は広がったトップランカー野尻との差を縮めることになった。また、3位には牧野が続く結果となった。

最終大会までおよそ二ヶ月のインターバルとなるスーパーフォーミュラ。また新たなウィナーが誕生するだけでなく、今回はレース巧者が上位を占める結果になった。残り2戦も予想外の展開になるやもしれない。

予選正式結果
決勝正式結果

(文:島村元子 撮影:中村佳史)