SUPER GT 第7戦 オートポリス レポート&フォトギャラリー

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SUPER GT第7戦、#36 au TOM’S GR Supraが怒涛の逆転勝利!

<GT500>
10月14、15日、大分・オートポリスにおいてSUPER GT第7戦が開催された。450kmで展開された決勝レースでは、予選12位スタートの#36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)がスピードとタイヤマネージメントの強みを活かした戦略でポジションアップ。大逆転の末に今シーズン2勝目を挙げた。

10月中旬に入り、本格的な秋の訪れとなったオートポリス周辺。日中が穏やかな日差しにも恵まれたが、朝晩は急激に気温が下がるコンディション。レースを戦う各チームにとっては、タイヤ選択を始めとする”レースプラン”が戦いの行方を左右することになった。予選日の午前中に実施された公式練習は、前夜の雨が影響したこともあり、スタートから30分程度は走行せず、コースコンディションの回復を待つチームが多く見られた。また、セッション最終盤には#8 ARTA MUGEN NSX-GT(野尻智紀/大湯都史樹)が痛恨のスピンを喫し、タイヤバリアへ激しくクラッシュ。赤旗をもって終了となったため、アタックシミュレーションをしないままセッションを終えるクルマも少なくなかった。

午後3時33分に始まったQ1でトップタイムをマークしたのは#37 Deloitte TOM’S GR Supra(笹原右京/ジュリアーノ・アレジ)。公式練習でもトップタイムをマークした笹原が、その勢いをキープする。これにわずか1000分の5秒差で2番手につけたのが、#14 ENEOS X PRIME GR Supra(大嶋和也/山下健太)。さらに、#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)が3番手に続き、Supra勢がトップ3を独占する。Q2は午後4時11分にスタート。さらに気温、路面温度が下がるなかでトップタイムをマークしたのは、#16 ARTA MUGEN NSX-GT(福住仁嶺/大津弘樹)。2番手に躍進した#19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)に対して、0.473秒という大差をつけて今季2回目のポールポジションを手にした。

決勝日は予選日よりも日差しの出る時間は長かったものの、思ったほど気温が上がらず、また冷たい風が吹く天候となる。各チームが想定していたレース展開になるのか、持ち込んだタイヤの選択がどう作用するかも含め、オートポリス初の450kmレースでどのようなドラマを繰り広げるのか、大きな注目を集めた。お昼を前に、穏やかな日差しに恵まれたこともあり、午後1時30分に号砲を迎えた決勝レースは、気温17度、路面温度25度のコンディションで幕を開けた。大分県警の白バイおよびパトカーの先導によるパレードラップ、そしてフォーメーションを経て始まった97周の戦いは、まずポールスタートの16号車が”逃げ切り先行型”のレース運びを披露。逆に、ライバルたちは序盤からルーティンのピット作業に着手するなど、揺さぶりをかけた。

トップをキープし、快調に周回を続けた16号車が満を持してピットインしたのが19周終了時。その後もレースは古いコースイエローが立て続けに導入されるなど、落ち着きのない展開となったが、その中で後方からハイペースで周回を続ける36号車が、ピットインのタイミングを34周まで遅らせることでポジションアップに成功。表彰台争いに加わった。

60周前後で各車2度目のルーティンワークが始まる中、16号車は59周終わりでピットへ。”裏1位”の座に就き、チェッカーを目指したが、そこから背後に36号車が迫ってくる。その36号車は、65周終わりでピット作業を終えると、目前のライバルを蹴散らすように攻めの走りを展開。まずは77周目の第1ヘアピンで#3 Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)を逆転して2位に浮上すると、その勢いのまま、16号車を猛追した。10周近くにわたり繰り広げられた2台の攻防戦は、抜きどころを絞っていた36号車が、メインストレートで16号車のスリップにつくと、87周目の第2ヘアピンでインに飛び込み逆転。勝負がついた。水を得た魚のように36号車は、2位に退けた16号車との差をさらに広げてチェッカー。今季第2戦富士以来となるシーズン2勝目を挙げ、チャンピオン争いでもランキングトップに浮上している。

これで最終戦に向けてタイトル争いに残ったのは3台。36号車、そして前大会までポイントリーダーだった3号車、そして今大会で2位となった16号車がその対象となる。奇しくも各メーカー1台ずつが、もてぎで今シーズンのチャンピオンを目指してしのぎを削ることになる。

 

<GT300>
予選ポールポジションを手にしたのは、#2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)。公式練習、Q1、Q2すべてのセッションでトップタイムをマーク。クラスチャンピオン獲得に向けて、最高のスタートを切った。一方で、決勝レースでの強さを見せつけたのが、前回SUGO戦の覇者である#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰/野中誠太)。SUGOでは速さを武器にレースをリードするも、最終ラップで突然のガス欠症状に見舞われ、まさかの失速。2位でチェッカーを受けて悔し涙に暮れたが、その後の再車検によって優勝チームが失格となり、覇者に”返り咲き”。今大会こそ、自らの手で優勝を決めたいと緻密な戦略をもって、予選4位から戦いに臨んでいた。

2号車はルーキーの平良がスタートドライバーを担当。しかし、予想以上に気温が上がらず、路面コンディションにも苦心。タイヤのピックアップに悩まされ、ペースが伸びない。一方の52号車は8周目に早くもクラス2位まで浮上。最初のFCY解除後に、2台の差が縮まると18周目のヘアピンでポジションが入れ替わる。また2号車が”均等割”でピット作業を実施したのに対し、52号車は変則的なピットインを敢行。1回目のピットインのタイミングこそほぼ同じだったが、行なったのは給油のみ。その後10数周で再びピットに戻り、ドライバー交代を含むフルサービスを行なった。

2回のルーティン作業を終え、終盤に向かう2台の差は1秒強。テール・トゥ・ノーズの激しいトップ争いで2号車が果敢に攻め立てるも、抜きどころが限られるコースでは、”あと一歩”に至らない。52号車のミスを誘うよう、揺さぶりをかけながら勝負に挑んだ2号車だったが、最後まで逆転は叶わず。結果、52号車がSUGOでの悔しさを取り払うような強いレースで勝利。シーズン2勝目を上げると、シリーズランキングでも2位に20点という大差をつけて最終戦を迎えることとなった。今回、2位に続いた2号車は、シーズン3回目の”ファースト・ルーザー”。悔し涙での表彰台となっている。

オートポリス戦における各クラスの覇者がシリーズランキングトップとなって迎える最終戦。モビリティリゾートもてぎでの戦いは、11月4、5日に開催される。過去には、壮絶な結果によるタイトル獲得という展開が見られた場所だけに、チャンピオン決定に向けてどのようなドラマが待ち受けているのだろうか。

(文:島村元子 撮影:中村佳史)