SUPER GT RND8 もてぎ
土屋武士／No.25 VivaC 86 MC

SUPER GT GT500クラスはもとより、トップフォーミュラ参戦の経験を誇る土屋武士。GT300マザーシャシーで参戦を開始したのは、2015年。メカニック、チーム代表として豊富な経験を誇る実父･春雄氏をチーム監督に迎え、自らチームを率いての参戦はまさに生みの苦しみを持ちつつ、つねに理解ある多くの仲間に恵まれての戦いを重ねていく。そんな中、昨シーズンは第6戦SUGOでチーム初優勝を遂げ、さらに今シーズンは安定した速さ、強さを確実に披露するレースを続けてきた。また、レースではタイヤ無交換というチームの強みを活かした戦略を積極的に行い、その成果は第7戦タイでも発揮され、シーズン初勝利を達成する。そして迎えた最終決戦のもてぎ。まず第3戦で7位入賞を果たすと、暫定ポイントランキングトップに浮上して、タイトル獲得に王手をかける。第8戦のスタートドライバーを務めた土屋は、最少ラップでコンビを組む松井孝允へとスイッチ。もちろん、タイヤ無交換を完遂、コース上でライバルとの優勝争いを制し、涙のタイトル獲得を達成。ひと足先に表明していた現役引退に、シリーズタイトル獲得という価値ある花を添えることとなった。

（文：島村元子　撮影：鉄谷康博・中村佳史・北川正明）