SUPER GT 第4戦 富士 レポート&フォトギャラリー

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GT最年少コンビのKeePer TOM’S GR Supraが初優勝!

<GT500>
8月6、7日に富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第4戦。猛暑は回避できたものの不安定な天候の下で450kmにわたる戦いが繰り広げられ、序盤からトップを狙って快走を続けた#37 KeePer TOM’S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋組)が終盤に逆転を果たしてそのままチェッカー。今シーズン初勝利を達成している。

予選日は曇天模様の天気で、真夏の一戦とは思えないほどの涼しさとなる。気温22度、路面温度27度前後のコンディションで実施されたノックアウト予選では、わずか1000分の数秒でQ2進出を逃すチームもいるなど、激しいポジション争いが繰り広げられた。その中で最速タイムをマークしたのが#19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南組)。2番手の#24 リアライズコーポレーション ADVAN Z(佐々木大樹/平手晃平組)に対して0.635秒もの大差をつけた上に、第2戦から連続3戦のポール獲得という偉業を見せた。3番手には37号車が続き、前大会で車両トラブルに見舞われ、エンジンおよびシャシーの交換を行なった#38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明組)が4番手の好位置を獲得。決勝では規則で置換によるペナルティストップが課せられることになったが、まずは予選で復活の狼煙を上げた。

天候が回復し、夏の暑さが戻った決勝日。しかし曇り空が先行し、気温上昇もわずか。各チームは長距離となる決勝を見据えた戦略で挑むことになった。ダミーグリッドに各車が揃い、3年ぶりに復活した静岡県警の白バイとパトカーによるパレードラップを控えたサーキットに雨が落ち始めたのは午後1時ごろ。幸い、走行前に雨は上がったものの、コース上の一部はまだドライコンディションとは言い難い状況のままレーススタートを迎えることになる。

変化したコンディションを受け、従来よりも1周多くフォーメーションラップを実施したため、決勝レースは100周から1周減算の99周でスタート。ホールショットこそポールの19号車が奪うも、ペースアップに苦しみ、3周目の1コーナーで2番手の24号車に逆転を許してしまう。さらには37号車、#12 カルソニックIMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット組)にも先行され、ずるずると後退した。代わってトップに立った24号車は安定したペースで周回を続け、レース3分の1を消化した37周終わりで最初のルーティンストップを実施。スムーズに作業を終えて、中盤へと向かった。その後はトップ3においては小康状態のまま2回目のルーティンワークが近づく。

ここで最初に動いたのは24号車。72周終わりでピットイン。ドライバー交代とタイヤ交換、そして給油を行なった。だがタイヤ交換でロスタイムが発生する。また、GT300クラスの集団後方でコース復帰することになり、流れをうまく味方につけられなかった。これに対して37号車は73周終わり、12号車は74周終わりでルーティンワークを行ったが、ともに給油とタイヤ交換のみでドライバー交代をせず、24号車よりも大幅に短い時間でコースへと舞い戻る。結果、24号車に対して37号車はストレート1本分のマージンを獲得して実質トップを奪取。また12号車も逆転に成功し、24号車は3番手へとドロップした。

第3スティントでは、12号車がトップを奪取すべく果敢に37号車へとアプローチしたが、逃げる37号車との差は開くばかり。結果、37号車が待ちわびたシーズン初優勝を実現。ドライバーふたりにとっては、GT500における初優勝でもあった。2位には12号車。そして終盤にトップを明け渡した24号車だったが、3位でチェッカーを受けて今シーズン初の表彰台に上がっている。

<GT300>
今季すでに2度のポールポジションを獲得する#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝組)。今回、3度目のポールが確定するかに思われた矢先、#65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗組)0.017秒差でトップタイムをマーク。ポールポジション確定寸前で奪われた悔しさを決勝にぶつけた。

そのポールからスタートした65号車だったが、レース序盤にタイヤから白煙をあげて緊急ピットイン。ハブトラブルと思われるアクシデントでリタイヤ。あっけない幕切れを迎えている。これにより、クラストップに立ったのが#4 グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也組)。予選3番手の4号車は6周目に61号車を料理すると、65号車を猛追し、思わぬ形でトップを手にした。順調な走りで後続との差を広げる中、61周終わりに2度目のルーティンストップを実施。2017年第1戦を最後に遠ざかっている優勝達成のため、丁寧に時間をかけて作業を行い、コースへと復帰。後方の#11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍組)に10秒弱の大差をつけて走っていたのだが、77周に入ったばかりの1コーナーで左フロントタイヤが突然バースト。ほぼ手中にあった勝利がこぼれ落ちたが低速走行でほぼ1周してピットに戻った4号車は、その後タイヤ交換を行いレースに復帰し、13位でチェッカーを受けた。

このハプニングでトップが巡ってきたのは11号車。しかし、背後から怒涛の追い上げを見せる61号車と長きに渡り抜きつ抜かれつの走りを見せ、得意なコーナーでは互いにトップに立ちながらの攻防戦を展開。そんな中、61号車は85周の1コーナーで先行すると、このままトップを死守。追いすがる11号車を引き離してチェッカーを受けた。前日の予選では、僅差でポール獲得を逃した山内だったが、決勝では自らの手で参戦100戦目を祝うことになった。

(文:島村元子 撮影:中村佳史)