第6戦SUGO、Astemo HRC PRELUDE-GTが待望の今季初優勝!
<GT500>
9月19、20日に宮城・スポーツランドSUGOにおいてSUPER GT第6戦が行なわれ、予選2番手からスタートを切ったNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)がピット戦略を味方につけてトップを奪取。FCYやSCが導入された落ち着かない展開のなかで力走を続け、圧勝。待望のシーズン初優勝、チームとして4年ぶりの勝利に歓喜した。
みちのく仙台、SUGOでのレースは秋晴れ開催とはならず、終日どんよりとした空が一面に広がり、時折雨が降る不安定な天候になった。まず、初日予選日の公式練習はウエット宣言下でスタート。気温22度、路面温度23度のコンディションのなか、開始1時間を前にしてNo.24 リアライズコーポレーション Z(名取鉄平/三宅淳詞)が雨が影響したのか挙動を乱してコースアウト。クラッシュを喫したことで、赤旗中断を招いた。一方、セッション再開後のGT500クラス専有走行を前に、No.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)が暫定トップに立っていたが、セッション終了間際になって、No.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)が最速タイムをマーク。1分09秒419というベストタイムで予選に向けていい流れを作った。
迎えた午後の予選。雨の心配はなく、気温23度、路面温度は28度へと上昇する。また、午前中にクラッシュした24号車も修復が間に合い、出走が叶った。公式練習中から勢いに乗る64号車はQ1でも躍動。フラガが2番手に0.336秒という大差でトップ通過をしてみせる。これに、No. 8 #8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)、前回のポールポジションNo.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)、さらに前回のウィナーであるNo.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)、さらに100号車が続き、ホンダ勢がトップ5を独占する走りを見せた。一方、暫定ランキングトップの36号車はQ1通過ならず。24号車も出走はしたものの、Q1落ちに。その後、スキッドブロックの残厚不足が判明。タイム抹消扱いで決勝は最後尾スタートとなっている。
ポールポジションを決めるQ2になっても、ほぼ路気温は変わらず。ここでもやはり64号車が速さをアピール。アタッカーの大草はチェッカーまで残り1分強の時点で1分09秒050のタイムを叩き出し、コースレコードを更新してみせた。その後、No.19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)もタイムアップして2番手につけるが、64号車との差は約0.4秒。これにチェッカーフラッグが振られるなか、100号車もラストアタックでタイムを上げたが19号車に次ぐ3番手。そんななか、17号車がタイムアップを果たして2番手に浮上したが、64号車とは0.318秒差に。結果、64号車が2024年第8戦もてぎ以来となるポールポジションを獲得した。なお、この年は、Q1、Q2合算タイムによるポール確定だったため、大草にとって今回が自身のアタックで手にした初のポールポジションとなった。
- GT500クラス 予選ポールポジション #64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)
- GT500クラス 予選2番手 #17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)
- GT500クラス 予選3番手 #19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
迎えた決勝日も朝から霧雨が降ったり止んだりのコンディション。サポートレース中に路面がウエットとなり、正午からのウォームアップ走行ではウエットタイヤとドライタイヤの双方を装着し、セットアップを確認するチームもあるなど、極めて慌ただしい”準備時間”となった。だが、幸いにもスタート進行中に弱いながらも日が差し込み、徐々にコンディションが回復。全車ドライタイヤでのスタートが可能となる。その一方でまだコースにはウエットパッチが残っていたことから、宮城県警によるパレードラップはキャンセルに。またレースもセーフティカー(SC)によるスタートへと変更された。
午後1時30分、SC先導によるスタートが切られ、5周目からレーシングスピードによる戦いに。しっかりとタイヤに熱が入った状態でトップの64号車は逃げの一手を打つが、予選2番手の17号車もピタリと張り付いてプレッシャーをかけた。だが、快走を見せる64号車に対し、逆に17号車は3番手スタートの19号車の猛攻を受けて17周目の馬の背コーナーで逆転を許してしまう。さらには100号車にもプッシュされ、厳しい前半スティントとなってしまった。
その後、19号車が64号車との差を0.5秒まで縮め、激しいトップ争いになるかと思われたが、26周目の最終コーナーでGT300車両と16号車による接触が発生する。挙動が乱れた300車両がコースを横断する形となり、後方から走行してきた16号車が回避しきれず接触。すぐFCY発動となるも、すぐさまSCへと切り替わった。
コース上ではGT500、GT300両クラス分けの作業が行なわれ、周回遅れを避けるための送り出しが始まる。再びSC先導による走行が続き、32周終了時点でレース再開を迎えた。すでにピットレーンはオープンになっていたことから、3番手を走っていた17号車が真っ先にピットに舵を切り、さらに後方の3台が続いた。これを意識してか、トップを走っていた64号車も翌周にピットイン。作業を終えてコース復帰を果たしたが、17号車がアンダーカットを決めて先行を果たす。また、19号車は37周終わりでピット作業を行なったが、やはり17号車のうしろでコースイン。こうして17号車がピット戦略を味方に、事実上のトップ奪取を決めてみせた。
GT500車両全車が52周終わりでピット作業を完了すると、17号車を先頭に、約3秒遅れで2番手に100号車、そのうしろには著しくペースアップしてきたNo.39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)が続く。そして4番手には予選11位から粛々とポジションを上げてきた36号車という状況となる。17号車は100号車にしっかりとギャップをつけて周回を重ねるが、逆に100号車は39号車の猛追に遭い、2台は長く激しい攻防戦を繰り広げ、ホームストレートでは幾度となくポジションを入れ替えた。レースは61周目、GT300車両がハイポイントコーナーでスピン。FCY導入となったのを機に2台が急接近し、ついに66周目のメインストレートから1コーナーにかけて39号車がGT300クラスをうまく利用して逆転に成功。その後は100号車との差をぐんぐん広げていく。
逃げる17号車に対し、39号車は大終盤にペースダウン。100号車とは1秒を切る接近戦になったが、その一方で、100号車もまた予選11番手から着実にポジションアップしてきた36号車との戦いを強いられる。結果、各車はポジションキープのままチェカーを受けてタフな戦いを終えることになった。17号車は、待望の今シーズン初優勝。塚越にとって4年ぶり、またルーキー野村としては待ちわびたGT500初優勝でもあった。なお、前戦で2位、今回優勝と続けて大量得点を挙げたことにより、ランキング争いでも2位へと浮上している。2位の39号車は今季初表彰台の結果を残し、ランキングでもトヨタ勢として2番手の5位にジャンプアップ。100号車もまた大量得点により、ランキング3位に復活することになった。
次戦の第7戦は大分・オートポリス。久々の3時間レースとして開催される。
- GT500クラス スタート
- GT500クラス 優勝 #17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)
- GT500クラス 2位 #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
- GT500クラス 3位 #100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)
- GT500クラス 表彰式
<GT300>
予選日朝の公式練習でクラストップタイムをマークしたのは、No.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)。予選での速さは定評あるが、まだ決勝での結果が残せていない。まずは予選でポールポジションを狙うべく、好走を見せた。だが、アタックセッションでこれを上回ったのが、前回の鈴鹿大会で決勝クラス2位を走りながらも、残り6周でタイヤトラブルに泣き、表彰台を逃していたNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)だった。
まず出走したQ1・A組では61号車と同じグループながら、河野がトップタイムをマーク。61号車は次席だった。Q2では、チェッカーまで残り2分の時点で61号車の山内がトップタイムを刻んでいたが、ラスト1分半の時点で60号車の河野がこれを更新する1分16秒964のタイムでトップに君臨。61号車とは0.099秒差で自身初のポールポジションを掴み取った。なお、2番手61号車に続いたのは、No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣清)だった。
- GT300クラス 予選ポールポジション #60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)
- GT300クラス 予選2番手 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
- GT300クラス 予選3番手 #7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣清)
迎えた決勝は、クラスポールスタートの60号車が速さを見せて快調に周回を重ね、26周目の接触アクシデントを前に2位以下に4秒以上の差をつけていた。SCランを経て2位との差は1秒強まで縮まったが、35周を終え、上位陣のなかで最も早く60号車がピットイン。ミスなく作業を終えてコース復帰を果たした。そんななか、予選19番手スタートのNo.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)が翌周にピットイン。タイヤ無交換を敢行し、60号車より前の位置でコーフ復帰を果たすことに成功する。
ニュータイヤで猛追を始めた60号車と56号車のギャップは確実に縮まり、約4秒弱から少しずつ差が小さくなるが、逆転には至らない。そんななか、61周目のハイポイントコーナーでGT300車両がスピン、FCYが導入される。このタイミングでさらに2台の差が縮まったが、68周目のハイポイントコーナーを走る56号車が挙動を乱してGT500車両と接触してコースアウト。これを機に60号車が先行し、トップに帰還する。
タイヤ無交換の56号車には、逃げる60号車を追う余力はなく、このままレースはチェッカーフラッグを受けることに。結果、60号車がシーズン初優勝を達成するとともに、SUGOにおいて2年連続の勝利を手にした。優勝は逃したものの2位に続いた56号車は、大量得点を計上し、シリーズランキングでも暫定トップの座をキープ。3位でチェッカーを受けた61号車は、待望のシーズン初表彰台。今後の戦いに期待が集まる結果を残している。
- GT300クラス スタート
- GT300クラス 優勝 #60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)
- GT300クラス 2位 #56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)
- GT300クラス 3位 #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
- GT300クラス 表彰式
フォトギャラリー
(文:島村元子 撮影:中村佳史)































