第7戦オートポリス、STANLEY HRC PRELUDE-GTが今季2勝目を挙げる!
<GT500>
10月17、18日に大分・オートポリスにおいてSUPER GT第7戦が行なわれ、3時間という長い戦いを予選4番手スタートのNo.100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)が制した。セーフティカーに一度は翻弄されたものの、その後のピット戦略が奏功。運を呼び寄せる走りで、昨年に続き優勝を果たしている。
レース日和の好天気に恵まれたオートポリス大会。多少、朝晩の冷え込みはあったものの上空にはつねに青空が広がり、眩しい日差しが照りつけた。初日に行なわれた公式練習で、トップタイムをマークしたのは、No.19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)。前大会のSUGOでは予選3番手につけたが、決勝では思うような結果を残しておらず、今回はそのリベンジといきたいところ。これに、No.38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)、そしてSUGOでポールポジションを手にしているNo.64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)と続く結果となった。なお、セッション終盤、多くの車両がアタックラップに向かうなか、No.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)が第2ヘアピンで痛恨のコースアウトを喫しており、この影響を受けてアタックできずに公式練習を終えているチームもいたため、午後からの予選では異なるポジション争いになる可能性も考えられた。
午後3時過ぎに始まった予選Q1。気温23度、路面温度30度のコンディション下でスタートする。全14台のうち、早めに動いたのが19号車。チェッカーが出る前にトップタイムをマークした。だが、その後、各車がこれを上回る好タイムを刻み、最終的には1分32秒550をマークした64号車がトップでQ1を通過。これに、100号車、38号車、さらに日産勢トップとしてNo. 12 TRS IMPUL with SDG Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が続いた。
続くQ2も似通った路気温でのアタックが可能となり、ほぼ全車が同じようなタイミングでコースへと向かう。セッション終了まで残り2分を切る中、アタックが始まると、各車は競うようにセクタータイムを更新し、ポールポジションを目指す。Q1同様、19号車が早めにアタックへと入っていたが、これより先にチェッカーを受けたNo.23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)が1分33秒270のタイムで暫定トップへ。だが、19号車がこれを上回ってトップを奪取する。その後しばらくは後続の車両が19号車のタイムを上回れずにいたが、No.17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)がこれをコンマ1秒上回り、トップへ。すると間髪入れず64号車が最速タイムを叩き出して、チェッカー。1分32秒414の好タイムを刻んだ64号車の大草が、前回のSUGOに続き通算3度目のポールポジションを手にすることとなり、奇しくもSUGO戦の予選と同じ顔ぶれの車両がトップ3につく結果となっている。
- GT500クラス 予選ポールポジション #64 Modulo HRC PRELUDE-GT(大草りき/イゴール・オオムラ・フラガ)
- GT500クラス 予選2番手 #17 Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)
- GT500クラス 予選3番手 #19 WedsSport BANDOH GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
決勝日は早朝からサーキットへ向かうファンが多く、その道中で渋滞が発生するなどしたが、先の熊本地震の復興支援大会としての大きな賑わいを見せることとなった。決勝直前までさまざまなセレモニーも行なわれ、午後1時10分に大分県警の白バイおよびパトカーが先導してのパレードランが始まり、その後、フォーメーションラップを経て3時間レースが幕を開けた。スタートを決めた64号車を先頭に、17号車、19号車が続く一方、予選5番手の12号車が100号車を逆転を決める。一方、2番手の17号車が64号車を攻め立て差を見る見るうちに縮めると、7周目にはGT300車両の集団に引っかかった64号車をパス。これでトップが入れ替わった。
一方、今回は3時間という長丁場につき、2度のピットイン義務が伴う。チームによって戦略も異なり、予選7番手のNo.16 #16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)が8周終わりで早速ピットインするなど、序盤から動きが見られた。同様に、トップを奪取した17号車もぐんぐんと後続との差を広げて12周目には64号車に対して約7.5秒の差をつけたが、14周終わりでピットに帰還。タイヤ交換と給油を行なう作戦を採る。64号車の手に再びトップが戻ると、そのうしろから12号車が猛追。さらに、19号車、100号車、No.24 リアライズコーポレーション Z(名取鉄平/三宅淳詞)、38号車が激しい攻防戦を展開。現状打破のため、ピットインを選択するチームも見られるなど、慌ただしい動きが多く見られた。
そんななか、23周目にGT300クラス車両がさよりんブリッジ先でコースアウトし、セーフティカーが導入される。この直前、第2ヘアピンのブレーキング勝負で12号車が64号車を逆転してみせたが、12号車はSC解除でリスタートを迎えた28周終わりにピットイン。再び64号車がトップに返り咲き、スタートから1時間を迎えた。すると、64号車は33周終わりでピットイン。その動きを見てか、後続の上位陣もそれからしばらくするとピットへと帰還する。だが、そのなかで100号車だけがステイアウトを選択。結果として100号車はおよそ1時間23分にわたって周回し、45周終わりでピットインを実施。このあとは、17号車が先頭に立ち、16号車、19号車、39号車とSC導入前にピットインを行なった車両が上位を締めることになった。
折り返しを迎えた戦いに、次なる変化が訪れたのは49周目のとき。激しいポジション争いを繰り広げていたGT300クラス車両の2台に17号車が接近、真ん中を割って入る形で通過したが、アウト側にいたGT300クラス車両の1台が縁石に足を落として挙動を乱し、コースを横切るようにイン側へ進み、タイヤバリアに追突するクラッシュが発生する。フルコースイエロー(FCY)が発動され、すぐSCへと切り替わった。レースコントロールは55周走行中まで続き、56周からリスタートしたが、上位陣ではピットレーンがオープンした55周目に17号車と19号車が2回目のピットインを行ない、その翌周に16号車、39号車も続いた。一方、4番手までポジションを上げていたポイントランキングトップのNo.36 au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)が57周目にピットイン。予選8番手から試合巧者らしいアプローチで着実に上位に浮上していたが、このピットインを見て動いたのが、100号車だった。最も遅いタイミングで1回目のピットインを終えてたため、58周目のピットインではタイヤ交換とわずかな給油のみでコースに復帰。この戦略が見事にあたり、上位争いへと加わることに成功した。タイヤを温めながら後方からの猛攻を凌いだ100号車は、全車が2回目のピット作業を終えた72周目にトップへ。2番手38号車も懸命に追うが、GT300車両のバックマーカーも多く、次第に差が広がっていく。
チェッカーまで残りおよそ30分となる時点で、100号車をトップに、38号車、23号車そして36号車と続く一方、36号車はタイヤ交換中に給油作業を行なったとして、ドライブするーペナルティが課され、痛恨のポジションダウン。それでも最終盤で怒涛の追い上げを見せ、最終的には8位でチェッカーを受けている。レースは、38号車の追い上げ虚しく、100号車がトップチェッカー。今シーズン第4戦富士に続く優勝で、PRELUDE-GT勢として初めて2勝目を挙げることに。また、昨年もオートポリスを制しており、大会2連勝も果たしている。2位には38号車がシーズン2度目の表彰台を獲得。23号車も第2戦以来となる3位表彰台に立つこととなった。
- GT500クラス スタート
- GT500クラス 優勝 #100 STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)
- GT500クラス 2位 #38 KeePer CERUMO GR Supra(大湯都史樹/小林利徠斗)
- GT500クラス 3位 #23 MOTUL Niterra Z(千代勝正/高星明誠)
- GT500クラス 表彰式
最終戦のもてぎ大会を前に100号車が勝利したことで、ランキングトップの36号車との差が一気に縮まり、その差は3ポイントに。もてぎでは土曜日に第3戦、日曜日に第8戦とそれぞれワンデーレースが実施されるため、上位2台に限らず逆転のチャンスがあるチームも多い。もてぎでは白熱の戦いに期待が集まる。
<GT300>
GT300クラスでは、59歳の新田守男と56歳の高木真一のベテランコンビを擁するNo.96 K-tunes RC F GT3が優勝。それぞれ自身の優勝記録を伸ばし、新田は27年ぶりに史上最年長勝利記録も更新している。
公式練習では序盤から赤旗が出るなど落ち着かない展開だったが、このセッションから好調だったのはNo.61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)。No. 2 HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/卜部和久)、No. 7 CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣清/伊東黎明)がこれに続き、午後からの予選を迎える。
予選Q1・A組では61号車がトップ通過。同B組は前大会SUGOのウィナーであるNo.60 Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)がトップにつけた。全18台によるQ2になっても61号車の速さには陰りが見えない。圧倒的な速さを見せて、アタッカーの山内が1分42秒677をマーク。自身が持つGT300クラス最多ポールを18回へと伸ばした。61号車と0.384秒差で2号車が続いたが、Q1出走時に他車への走行妨害があったとされ、予選結果から2グリッド降格が決定。決勝は4番手グリッドからスタートを切ることになった。2号車に続いたのは、No.52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)とNo.25 HOPPY Schatz GR Supra GT(松井孝允/洞地遼大)。25号車はシーズンベストのポジションから決勝を迎えることになる。
- GT300クラス 予選ポールポジション #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
- GT300クラス 予選2番手 #52 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)
- GT300クラス 予選3番手 #No.25 HOPPY Schatz GR Supra GT(松井孝允/洞地遼大)
レース序盤は、クラスポールスタートの61号車が逃げる展開を披露。これに52号車、さらに4番手グリッドから予選での速さを武器に2号車がポジションを上げて追い上げを見せると、13周目あたりからトップ3による三つ巴の攻防戦を展開。まず52号車を抜き、続く17周目の第2ヘアピンで61号車を逆転してみせた。すると、52号車も61号車を逆転し、トップ3の順位が入れ替わる。そんななか、レースは23周目にコースアウトした車両の影響でSCが導入され、28周終わりまでコントロールされる。解除後にはルーティンのピットインを行なう車両も多く見られたが、上位陣はステイアウトを選択したが、そのなかで61号車が真っ先にピットインし、これに2号車、52号車も続いた。
この時点で暫定トップにたったのが、No.56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/木村偉織)。シリーズランキング暫定トップの56号車は重いクルマをコントロールし、1点でも多くポイントを獲ろうとライバルとは異なる戦略を採っており、1回目のピット作業を引っ張っていた。そんななかでレースは49周目を走る上位2台のバトルが激化。52号車と2号車の接近戦の間をGT500クラス車両が割って入る流れとなり、アウト側にいた52号車は縁石にタイヤを落として態勢が乱れ、その勢いのままイン側のタイヤアリアに追突。このアクシデントでFCYが導入され、すぐにSCへと切り替わることになった。
2回目のSCランは16周に渡って続き、これに大きく戦略を乱されたのが56号車。ピットインのタイミングを完全に失うことになったが、逆にこのSC導入直前にピット作業を済ませ、かつタイヤ無交換でコース復帰を果たしていたNo.360 RUNUP × SOL GT-R(荒川麟/金丸ユウ/田中篤)は大きくポジションアップの好機を手にするなど、各所で明暗が分かれる展開となる。
レースは55周終了時点でリスタートを迎えたが、その後、68周目には96号車が360号車を逆転。78周目にはコース上のデブリ回収のためにFCYが導入されたが、そのまま上位のポジションは変わらず。96号車は確実に後続との差を広げ、終盤はひとり旅状態。逆に360号車は背後からギャップを詰めてきたNo.666 seven x seven PORSCHE GT3R EVO(スヴェン・ミューラー/渡会太一)の猛攻に遭い、残り10分を切る87周目の3コーナーで逆転を許してしまう。結果、このまま3時間のチェッカーを迎え、96号車が今シーズン初優勝を達成。チームとして7年ぶり、また新田と高木によるコンビとしては、2009年第3戦富士以来となる17年ぶりの勝利だった。
なお、レース後、666号車はSCラン中に行なったピット作業での給油作業が義務消化の対象とならず、とタイム加算ペナルティが課されてポジションダウン。360号車が2位へ浮上。さらに、4位チェッカーのNo.88 VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/ダニール・クビアト)は、SCラン中のドライバー交代が違反対象となり、同様にタイム加算のペナルティに。結果、3位には5位フィニッシュのNo.65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)が浮上し、シーズン2度目の表彰台に上がることになった。
- GT300クラス スタート
- GT300クラス 優勝 #96 K-tunes RC F GT3(新田守/高木真一)
- GT300クラス 2位 #360 RUNUP × SOL GT-R(荒川麟/金丸ユウ/田中篤)
- GT300クラス 3位 #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟/黒澤治樹)
- GT300クラス 表彰式
フォトギャラリー
(文:島村元子 撮影:中村佳史)































